“まかべ工法”とは、在来軸組工法でありながら、壁工法を筋違いのない真壁（しんかべ）で支えるものである。 設計士は今、数多くの耐震診断実績や、改修計画に至る過程で学んだ、要領、要点を生かし、地震に強い家づくりを心に留めている。 そこで考えられた「まかべ工法」は、効率の良さという観点でも、内壁をパネル化し、それを工場生産とすることから、工期短縮、生産性の向上などにも寄与するものである。

復興住宅モデルハウスのこの建物は、柱、壁とも使用木材を外観にふんだんに現わし、人と人との集える空間を外部に設け、木の香でそれを演出するものです。 たとえば家に広縁を持ち、軒下という広い外部空間があるならば、どんな季節でも子供たちが遊び、人との会話がうまれる環境がつくられます。ねらいはあのなつかしい縁台将棋の復活なのです。

内部空間の間取りについては、スケルトン・インフィル住宅の考えを取り入れ、中央通し柱を基点に、間仕切は自由に計画できます。1階の1/4あるいは1/2を店舗や作業土間として、玄関に重ねることも可能です。道路に接する面では、1間巾の軒下を各戸連ねれば“こみせ通り”の演出ができるように考えています。小柱、デッキ床、ベンチ等に加え、木をたたく足音の響く空間となるのでありましょう。 地域のコミュニティーは、私たちの生活に最も欠かすことのできない地位にあるといえます。やはり演出には木空間であり、そこが、求められる日常生活の癒しの場ではないでしょうか。

設計概要

案内地図

七ヶ浜町の構法は“蔵構法”と称し、柱間隔を455m/mに配置し内壁及び天井は杉板張り、床は赤松仕上とした『表しの化粧』を施したものです。 更にもう一つの特徴は、建築地が津波被災地域で高潮被災のある地域の為基礎の高さを約1,800m/mとし、床下の空間も一部利用出来るものとしています。 又、木の質感においては森林の温もりを与え、浴室前にウッドデッキを設置することで、入浴中にも木の質感を十分与えることが出来るものであります。

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